8月19日、第4期ネルコラボの第2回が開催されました。その模様をお届けします!
ネルコラボとは?
ネルコラボとは、広島発の企業に行かないインターンシップです。
必要な知識・スキルは社会の第一線で活躍する専門家・経営者から学び、学んだことをもとに学生が主体となって地域課題を解決するプランを作成します。プランは作成して終わりではなく、先輩社会人からアドバイスを受けながら、何度も何度も練り直していきます。
普通の学生生活では絶対に経験できないことができる場所、それがネルコラボです。
第2回のテーマ
第2回のテーマは「本音を聞き出すヒアリング術」です。相手が内に秘めているニーズを聞き出せる方法を学びました。
SPトランプで自己理解
毎回恒例のアイスブレイクですが、今回は「SPトランプ」を使って自分の性格を理解しました。
SPトランプとは、52枚あるトランプの1つ1つに性格が書かれているトランプです。その中から、自分の性格に合っていると思うカードを10枚選び、ハート・ダイヤ・クローバー・スペードに分けて書き出します。すると、書き出した性格の数字や位置によって、だいたいの性格がわかってしまう、自己理解には最適なトランプです。
SPトランプによる自己診断はだいたい合っているとのことですが、傾向を発表すると学生からは感嘆の声が上がりました。自分の性格を客観的な視点から見ることによって、今後のグループワークにも生かせるでしょう。
なお、今回参加している学生は、感覚的で社交的な性格の持ち主が大半を占めていました。
学生主体でルール決め
SPトランプで自己理解した後は、学生が主体となってネルコラボ内でのルールを決めました。流れの説明をした後は、司会進行・スケジューリングを学生がしました。
急に場を任された学生は戸惑っていましたが、ルールを決める間、大人は一切関与しません。それでも、司会進行の学生2名を中心に、ルールの案を出し合いました。
昼休みも一部削り、話し合って決めたルールは「ブレーンストーミングに基づいたグループ活動を行う」「時間厳守」「ポジティブシンキングを活発的に」の3つに決まりました。4期生はこれから来年の6月の成果発表会まで、3つのルールを常に意識して活動します。
【特別講義】本音を聞き出すヒアリング術とは
午後からは、特別講師に講義していただきました。第2回の講師は、株式会社カンドウコーポレーションの下川和美氏です。下川氏はCMO(最高マーケティング責任者)チーフプランナー兼ビジネスデザイナーとして、プロジェクトの企画・立案をし、顧客の課題を解決するプロです。
今回は「本音を聞き出すヒアリング術」について、講義していただきました。
深い内容を聞き出すには事前準備が必須
ヒアリングで、相手から広く深い情報を聞き出すためには「仮説を立てること」「事前に質問内容を考えておくこと」の2つが必要だと学びました。この2つをしっかり考えてヒアリングすると、相手から潜在的な情報を聞き出せるため、新しいビジネスにつながる可能性があるようです。
逆に、この2つを決めない状態でヒアリングしても、相手の時間を無駄にとってしまうでしょう。また、情報を聞き出せたとしても、生かせる場面は限られると考えられます。
必要な事前準備は質問内容だけではなく、アポイントの取り方や当日の役割分担にも事前準備が必要ということも学びました。また、今日ではヒアリングの方法も対面とオンラインの2つになっており、対面とオンラインでは事前準備で気を付ける点が若干違うことも解説いただきました。
当日は「アイスブレイク」から
学生がやりがちな「最初から質問する」行為は深い内容を聞き出すことはできません。深い内容を聞き出すには、場を柔らかくさせる効果のあるアイスブレイクが必要だと学びました。
アイスブレイクで困ることといえば「どんな内容を話せばよいのか」だと思います。ここでも相手との共通項を探すという事前準備が必要だと学びました。共通項を見つけることによって場の空気が軽くなり、相手が潜在的な情報を開示しやすくなる効果があるみたいです。
質問には2種類ある
筆者も知らなかったのですが、質問にはオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの2種類があることをご存じでしょうか?
オープンクエスチョンとは、自由に回答できる質問です。1つの質問で多くの情報を聞き出せますが、相手の負担が大きい質問です。
クローズドクエスチョンとは、はいかいいえで回答する質問です。相手が回答しやすいメリットがありますが、会話をつなげにくいデメリットがあります。
この2つを組み合わせることで、相手から深い内容を聞き出しやすくなることも学びました。例えば、クローズドからオープンに移行すると、質問がスムーズになり、会話のテンポもよくなるようです。
さらに本音を聞き出すコツとして、質問に仮説を持っておくことも紹介されました。仮説と同じであれば想定した流れで進められますが、仮説と違う回答が出てくる可能性もあります。仮説と違っても相手の回答によく耳を澄ませることで、別の視点から情報を深堀できることを学びました。
質問した方へのお礼は忘れずに
ヒアリングして「はいありがとうございました。」だけでは相手に失礼なので、ヒアリング後は必ずメールを送ることも紹介されました。
ヒアリングで感じたこと・得たことなどを記載し、ヒアリングの内容を発表する機会の日時も含めることで、相手がヒアリングの内容を生かしているなと感じられ、好印象につながることを学びました。
講義の最後には、学生・大人から下川氏への質問タイムが設けられました。
「ヒアリング時に出されたコーヒーが飲めない場合は?」「相手からなかなか返事がない場合は?」「大人がヒアリング時に失敗したことは?」など、時間の限り質問が飛び交っていました。
その後、学生は今日の振り返りとして、感想を4枚の紙に書いて発表しました。今までなかなか習わなかった内容ということもあり、新しい発見や気づきが多かったようです!
参加者・講師の声
第2回ネルコラボに参加した学生2名と、講師の下川氏から今回の感想をいただきました!
土田くん「”ヒアリング王”に!!! 俺はなるっ!!!(ドン!!)」
江崎くん「計画性を持って、もうちょっといい考えとか、いい案を立てていけたらいいなと思っています。」
下川氏「ヒアリングするには事前の準備もあるし、事前の準備をする時間、自分たちの時間もあるし、ヒアリングをする相手の時間もある。そのお互いの時間が有意義な時間になるようなヒアリングを、しっかりと頑張ってください。」
最後に
今回の講義内容を踏まえて、運営から「企業にヒアリングする」という課題が出されました。
経験したことのない課題に学生は戸惑っていましたが、これも必要なスキルを身に着けるための経験です。深い情報を聞き出せるようにがんばれ4期生!