第6期ネルコラボ参加者成果報告〜池田 姫乃〜

ネルコラボ参加のきっかけと最初の気持ち

ネルコラボへの参加は、自分自身の課題を乗り越えたいという思いから始まった。きっかけは萩さんからの説明であり、それ以前に参加していたS-produceのインターンでの経験が大きく影響している。インターンでは、異なる大学やバックグラウンドを持つ学生と短期間で課題解決に取り組む中で、チームとしてうまく機能しない難しさを感じた。大学の授業では同じ学びを受けたメンバー同士でスムーズに進むことが多かったが、それとは異なる環境では、意見の出し方や進め方の違いに戸惑い、議論が思うように深まらない場面もあった。

そうした経験から、広島県内の多様な学生と長期間で課題解決に取り組むネルコラボに魅力を感じ、自分の課題を克服したいと考え参加を決めた。一方で、学校やアルバイト、就職活動との両立に対する不安もあったが、それ以上に成長できる機会を逃したくないという思いがあった。また、レクチャー内容の充実や、多くの社会人と関わることができる環境にも魅力を感じ、挑戦したいという気持ちが強かった。

自分の考えを伝える力の変化

ネルコラボを通して最も大きく変化したのは、自分の考えを伝える力である。参加当初は、ミーティングの場で周囲の考えが分からず、無難な発言にとどまることが多かった。しかし、メンターに相談した際に「発言が議論を活性化させる」「チームで決めたことは個人の失敗ではない」という言葉をもらったことで、自分の中での捉え方が大きく変わった。

それ以降は、疑問に思ったことや自分なりに考えた意見を積極的に伝えるようになった。また、相手に伝わるようにするために情報を集めたり、自分の経験をもとに話したりすることを意識した。さらに、自分の意見を伝えるだけでなく、相手の考えや経験を問いかけることで、双方向のコミュニケーションを意識するようになった。こうした積み重ねによって、発言することへの抵抗感が薄れ、自分の言葉で関わることができるようになった。

得意・不得意に気づいた経験

活動を通して、自分の得意・不得意にも気づくことができた。得意だと感じたのは、物事をそのまま受け取るのではなく、「本当にそれでいいのか」と問い直しながら考えることである。チームでプランを考える中で、現実的ではあるものの、自分自身がワクワクしないと感じる場面があった。その際に、その違和感をそのままにせずチームに共有し、これまでどのような点に面白さを感じてこの方向性になったのかを振り返る機会をつくった。

また、プラン内容を検討する際には、「本当にターゲットは利用したいと思うのか」「どうすれば利用したいと思ってもらえるのか」といった視点で問い直しながら考え、意見を伝えることを意識していた。実現可能性とワクワクの両立は難しく、どちらかに偏ってしまいそうになることもあったが、そのバランスについて考え続けることで、プランの方向性をより深く検討することにつながったと感じている。

一方で、複数の意見が出た際に、それらをまとめて一つの方向に収束させることには難しさを感じた。どの意見にも納得感がある中で、判断の基準を見つけることができず、議論が止まってしまうこともあった。意見の背景や目的を踏まえて整理し、チームとして進むための方向性を示していく力の必要性を実感した経験でもあった。

チームで取り組む中での変化

活動の中で特に印象的だったのは、チームづくりの難しさと、その乗り越え方である。最初の2か月は、メンバー全員が揃う機会が少なく、参加できていないメンバーへの共有が不十分になったり、認識にズレが生まれたりすることが課題となっていた。その結果、同じ方向を向いて取り組めている感覚が持てず、チームとしてうまく機能していないと感じることもあった。

しかし、毎週決まった曜日にミーティングを行うことを決め、役割分担や次回までのタスクを明確にすることで、徐々に状況は改善していった。継続的に話す場を確保することで、メンバー同士の理解が深まり、チームとしての一体感が生まれていった。

その過程では意見の衝突もあったが、振り返ってみると、それは同じ目標に向かっているからこそ起こるものだったと感じる。相手がなぜその意見を持っているのか背景を聞き合い、違いを整理しながら折り合いをつけていく経験は、チームで進めるうえで大きな学びとなった。

社会人メンターの存在

メンターの存在は、活動を支える大きな支えだった。発言できないときや議論が停滞したときに相談すると、「こういう視点もあるのではないか」と新しい考え方を提示してくれたり、「この部分はどう思う?」と問いかけながら議論を前に進めてくれた。その関わりによって、自分たちだけでは気づけなかった視点に触れることができた。

また、プラン内容については社会人として鋭い意見をくれる一方で、チーム活動や個人的な悩みを相談したときには、同じ目線に立ってフラットに向き合ってくれる姿勢が印象的だった。厳しさと寄り添いの両方を持って関わってくれるその姿に、「こんな大人になりたい」と自然に思うようになった。

印象に残っている経験

活動の中で印象に残っているのは、合宿でのフィードバックと、その後の追い込みの期間である。合宿では、自分たちでは想定していなかった視点からの指摘を受け、「確かに」と思わされることが多かった。これまで考えてきたプランを見直すきっかけとなり、自分たちに足りていなかった視点に気づくことができた。

その後の期間では、自分たちなりに出し切ったと思えるプレゼンをしてもなお課題が見つかり、それをどう改善していくかを考え続けた。中間報告後の1か月でプラン内容を大きく見直し、追加するなど、大きな変更も行った。約週4回のミーティングを行いながら、学校やアルバイトと両立する日々は決して楽ではなかったが、その分チームとして本気で向き合う時間となった。

これからの挑戦

今後は、大学生活の集大成である卒業プロジェクトに取り組む予定である。ネルコラボでの経験を通して、「面白い」や「貢献する」だけではなく、それが社会の中で実現可能なビジネスとして成立するかどうかを考える視点の重要性を学んだ。この経験を活かし、社会に通じる仕組みや解決策を見つけていきたいと考えている。

また、メンターのように、オンとオフを切り替えながら人との出会いを大切にできる社会人になることも目標の一つである。相手に寄り添いながらも、必要な場面ではしっかりと意見を伝えられる、そんな関わり方ができる人になりたい。

ネルコラボでの経験は、自分の考え方や人との関わり方を見つめ直す機会となった。この経験をこれからの挑戦にもつなげていきたい。